稲野辺獣医師連載Vol.12|冬の寒さと乾燥に要注意!犬に与える影響と対策を獣医師が解説
冬の寒さや乾燥は人間と同様にワンちゃんにも大きく影響してきます。そこで今回は、寒さや乾燥に影響を受けやすい犬の特徴と対策をお伝えしていきます。
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冬の寒さや乾燥は人間と同様にワンちゃんにも大きく影響してきます。ワンちゃんの年齢や抱える病気によっても対策が異なる場合があります。

そこで今回は、寒さや乾燥に影響を受けやすい犬の特徴と対策をお伝えしていきます。

■ 冬の寒さや乾燥の影響を受けやすい犬の特徴 

・1歳未満の子犬

・10歳以上のシニア犬 

・甲状腺などのホルモンを司る臓器の病気を抱える犬

 ・アトピー性皮膚炎などの皮膚のバランスが崩れやすい犬

子犬は免疫的にまだ整っていないため、環境変化の影響を受けやすいです。なるべく一定の温度下での生活を心がけましょう。

シニア犬は血圧や体温の調節を司る臓器が弱まって来る割合が多いため、温度の変化には特に気を配ると良いでしょう。

体温の調節を行う臓器として「甲状腺」という臓器があります。犬の場合は、10歳を超えてくると甲状腺機能低下症という病気にかかりやすいことが特徴です。体温調節がうまく出来ないため、気をつけましょう。

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを抱えている子は皮膚バリアが壊れやすく、乾燥環境で皮膚炎などを起こしやすいです。乾燥している時期には特に保湿を念入りに行うようにして対策しましょう。

■ 寒さが犬に与える影響と対策 

・体温の低下 

・関節疾患の悪化 

・嘔吐や下痢などの胃腸炎症状 

・心臓や腎臓病の悪化 

・血行の悪化

対策 ・体温の低下は毛布で覆うことや室温を上げることで対策しましょう。犬用の体温計がある方は自宅で測定して確認しても良いでしょう。

関節疾患がある場合には、長時間関節を動かさないことが悪化要因になりやすいため、小まめに動いてもらうよう工夫したり、マッサージとして関節の屈伸をさせたり、関節周囲を温めてあげるなどの対策を施しましょう。マッサージは血行促進にも役立ちます。 

心臓や腎臓病の悪化については、気づいた時には進行しているケースをよくみます。呼吸数の増加や尿量の増加がそれぞれの病気のサインになりますので、こまめに確認し、異変に気づいたらすぐに動物病院へ連れていきましょう。

■ 乾燥が犬に与える影響と対策

・皮膚の乾燥による皮膚炎 

・呼吸器疾患の悪化

皮膚の乾燥には「保湿」。冬の保湿剤はクリームやローション系の保湿剤を用いましょう。また、保湿を促す入浴も効果的です。

気管や気管支の疾患を抱えている子は乾燥による気管支炎を引き起こしやすいため、家では加湿器を用いて湿度40%~50%を維持しましょう。

■ Furboドッグカメラを用いた対策

・温湿度計をカメラの画角内に置き、こまめに室温を確認して、過ごしやすい室内環境を保ちましょう!

・ズーム機能を用いてワンちゃんの呼吸数(正常は1分間に20~30回)を数え、心臓病の悪化を見逃さないようにしよう!

・皮膚炎の悪化による痒みの増加をいち早く確認しよう!

いかがでしたか?

冬の時期は体調を崩して動物病院に来院するケースが後を絶ちません。 ぜひ今回の対策を実践してみてください。特に寒さや乾燥に影響を受けやすい子は念入りに対策を施していただき、冬を乗り切って、おだやかな春を迎えていただければと思います。

稲野辺悠 

神奈川県出身。獣医師。夜間救急動物病院、東洋医学専門動物病院、八王子市永井動物病院院長を及び麻布ペットクリ二ック院長を経て、2023年10月に港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック開業。Instagram及びSNSにてペットの健康情報や番組を配信中。

各SNS: lit.link/anytimevets

動物病院HP: https://shiba-animalclinic.com/

 

ファーボのInstagramも是非チェックして下さいね!@furbo_japan


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