
季節の変わり目は朝晩の寒暖差が激しく、気圧の変化も大きいため、人間も体調変化が出やすい時期です。とりわけ台風の季節でもあり、気圧が低くなりがちです。この時期は人間と同じく、ワンちゃんにも様々な体調の変化が起きやすい時期でもあります。 季節の変わり目に愛犬の体調が崩れたことがあるという愛犬家の方も多いのではないでしょうか?
今回は季節の変わり目に多い犬の健康トラブルと対策方法を紹介します!
下痢や嘔吐
気圧や気温の変化が胃腸へ少なからず影響を与えることがあります。また、過ごしやすい季節には愛犬と色々な場所へ行きたくなりますよね。新しい場所や新しい食事に触れる機会が多いこの季節は、愛犬の胃腸にストレスや負担がかかり、下痢や嘔吐などの症状で動物病院へ来るワンちゃんを多数見かけます。
対策
・新しい刺激はなるべく少しづつ与えるよう意識する:急激な気温の変化を避けて行動する/愛犬が食べたことのない物は少量ずつ与えるようにする など
・下痢や嘔吐が見られた際は、その前に何かきっかけが無かったかを確認する
・症状が悪化するようなら早めに動物病院へ
食欲の変化
日が短くなり、気温が下がると、ワンちゃんの体内ではホルモンの変化が起こり、寒さに備えて食欲を増すように命令が下ります。そのため、愛犬は夏の時期よりも多くの食事を要求する可能性があります。食べ過ぎや食事が足りないことによる誤食などには気をつけましょう。
対策
・食事量は少量ずつ増やすようにする
・便の様子を見ながら食事量を調節する
関節疾患
暑い時期に運動量が減り、体重が増えてしまうワンちゃんは少なくありません。体重増加により関節に負担がかかると同時に、気温の低下は関節炎を引き起こしやすくなります。肥満気味であったり、シニア期に入ったワンちゃんは特に気をつけましょう。
対策
・体重をこまめに測り、急な増量に気をつける
・寒い季節は関節をほぐしたり、温めたりする;関節炎の緩和につながります
皮膚のトラブル
秋はワンちゃんにとっては換毛期とされています。この時期は衣服や床に付着した毛に悩まされますよね。換毛期には皮膚の痒みを訴えるワンちゃんが少なくありません。また、秋になると夏に活動したダニの死骸や糞がアトピー性皮膚炎を引き起こすことがあります。症状が出る前に早めの対策を行いましょう。
対策
・換毛期の痒みにはブラッシングを施す;週に15~30分程度行いましょう
・ 室内の清掃・加湿や皮膚の保湿を行う
雷恐怖症
夏から秋にかけてはゲリラ豪雨や雷が多く発生します。ときに雷の音は、ワンちゃんに大きなストレスを与えます。雷に対して大きなストレスを抱える犬は、震え、流涎、呼吸が荒くなる、攻撃行動などの様々な症状を引き起こします。
対策
・雷が鳴っているときはできるだけ側にいてあげる
・専門家の指導のもと、刺激に慣れさせるなどの行動療法を行う
・必要に応じて抗不安薬の服用も検討する
まとめ
いかがでしたか? 今回は季節の変わり目に起きやすい犬の健康トラブルを紹介させていただきました。
対策を行うことで防げるトラブルもありますので、ぜひ今のうちから対策を行っていただければと思います。
「毎年この時期に愛犬が体調を壊しやすかったが、今年は動物病院のお世話にならなかった!」と言っていただければ嬉しい限りです。
快適な秋という季節を、愛犬と健やかにお過ごしください。
稲野辺悠
神奈川県出身。獣医師。夜間救急動物病院、東洋医学専門動物病院、八王子市永井動物病院院長を及び麻布ペットクリ二ック院長を経て、2023年10月に港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック開業。Instagram及びSNSにてペットの健康情報や番組を配信中。
各SNS: lit.link/anytimevets
動物病院HP: https://shiba-animalclinic.com/
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